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2026.09.16 はじめの一歩

最近増えている「格安卓」のご相談。10万円以下の全自動麻雀卓を買う前に知っておくべき現実

最近増えている「格安卓」のご相談。10万円以下の全自動麻雀卓を買う前に知っておくべき現実

10万円以下の格安卓は手軽な反面、牌サイズや点数表示の違和感、部品入手難による修理不可、セルフ組み立てや輸送事故など多くのリスクが存在します。
「安さ優先でトラブルも割り切れる方」には魅力ですが、「雀荘同様の快適性やアフターサポートを求める方」は専門店での購入がおすすめです。

最近、当社へのお問い合わせで特に増えているのが「格安卓(低価格な全自動麻雀卓)」に関するご相談や修理のご依頼です。多い時では2日に1度のペースで何かしらのお問い合わせがあります。(当社で販売していない卓のお問い合わせとしては非常にハイペースです)

最初にお伝えしてしまうと、パーツ交換が必要になる修理の場合、当社では対応できないケースが非常に多いのが現状です。(※調整だけで直りそうな場合はもちろん対応いたします!)
理由はシンプルで、「交換用の部品がメーカーから出ない(手に入らない)」からです。

「部品が出ないので修理できません」だけで終わってしまうと身も蓋もありませんので、今回は「格安卓を購入され、何かしらの不満やトラブルがあって当社にご相談された方々のリアルな声」をもとに、格安卓の実態と購入前に知っておくべきポイントをお話しします。

なぜ10万円以下で全自動麻雀卓が買えるのか?

「自宅に全自動麻雀卓を置きたい」――麻雀愛好家なら誰しもが一度は夢見る憧れではないでしょうか。
昔であれば、全自動卓といえば50万円〜100万円以上する高級品であり、個人で購入して自宅に導入するのは一部の愛好家に限られていました。(とはいえ、決して少なくはありませんでしたが)

しかし近年では、ECサイトなどを中心に3万円〜9万円台という驚きの低価格で購入できる家庭用全自動麻雀卓が数多く流通しています。ボタン一つで牌がセットされ、すぐに次の局を始められる快適さは、一度味わうと手打ちには戻れなくなる魅力があります。

ですが、ここで一度立ち止まって考えてみてください。 「なぜ業務用や高価格帯の卓は数十万円するのに、10万円以下で買えるのか?」

価格差の正体は「日本に持ってきてからの工程」

まず大きく分けると、50万円以上の機械はおおむね国内生産、30万円以下の機械はおおむね海外生産です。 では「海外生産がすべて悪いのか」と言えば、そんなことはありません。
日本へ輸入してからしっかり検品・再調整をしていれば、国内生産の機械に近い安定性を発揮します。

正直なところ、格安全自動麻雀卓と同じような構造を持った国内メーカーの機種も存在します。では何が価格の差になるかというと、「日本に持ってきてからどれだけの工程(検品・調整)を行ったか」「これまでの不具合をどれだけブラッシュアップしてきたか」が価格に反映されているのです。

このように明確なコスト削減の仕組みがあり、それに伴うデメリットやリスクが確実に存在します。
購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、プロの視点からリアルな問題点を徹底解説します。

1. 牌のサイズが雀荘と違う?「巨大な牌」がもたらす違和感

当社に寄せられるご相談でよくあるのが、「機械自体は順調に動くんだけど、牌が大きすぎて嫌だから買い替えたい!」というお客様の声です。

10万円以下の廉価モデルを購入する際、最も注意すべき仕様の一つが「付属する麻雀牌のサイズ」です。

国産の全自動麻雀卓や日本の雀荘で一般的に採用されている牌のサイズは、たて約28mm(または26.5mm〜30mm)。Mリーグでも28mmが使用されています。
長年雀荘で打ち慣れている方にとって、この「28mm」はまさに手のひらにしっくり馴染む標準サイズ(プロ仕様)と言えます。(※手積みに慣れている方は25mm〜27mm位が馴染み深いかもしれません)

では、10万円以下の格安卓の牌サイズはどうかというと、その多くが中国で大量生産された製品を輸入・販売しているため、中国の麻雀文化で好まれる「33mm牌」や、さらに大きな「36mm〜44mm牌」が標準セットになっているケースが多々あります。

28mmと33mm、わずか5mmで打牌感は別物になる

28mmと33mmでは、わずか5mmの差に見えますが、実際に手に持ってみると体感のボリュームは全く別物です。(※逆に3人麻雀愛好家の方などで、大きな牌を好んで愛用されるケースもあります)

  • 理牌(リーパイ)やツモの感覚が変わる: 手の小さい方や女性の場合、片手で牌を握りきれず、ツモって手牌に組み込む動作や理牌がスムーズに行えなくなります。
  • 盲牌(モーパイ)の感触が異なる: 牌の彫りの深さや面積が異なるため、雀荘と同じ感覚で盲牌をすると大きな違和感を覚えます。さらに中国仕様の牌のため、字体や絵柄のデザインもかなり異なります。
  • 山から牌を取る際の距離感: 牌が大きい分だけ山自体も大きく分厚くなるため、対面の山から牌を取る動作が少し遠く感じられます。

最近では「日本向け仕様」として28mm牌に対応した10万円以下のモデルも少しずつ増えてきていますが、格安モデルを選ぶ際は「何ミリの牌が使える卓なのか」を事前に確認しておかないと、後から後悔することになりかねません。

2. 「点数表示機能」は期待できない(点棒レス仕様の罠)

次に多いのが、「点数表示付きだと思って買ったら、点棒レス仕様だったから買い替えたい!」というご相談です。

麻雀荘でプレイする全自動卓の大きな魅力といえば、各プレイヤーの持ち点が枠部分にリアルタイムでデジタル表示される「点数表示機能」です。点棒を点棒箱に入れるだけで点差が一目でわかる仕組みは、ゲームのテンポを大幅に向上させてくれます。

しかし、10万円以下の価格帯においては、この点滅・デジタル点数表示機能は「基本的に付いていない(非点数表示卓)」と考えたほうがよいでしょう。

10万円以下の卓のほぼすべてが、内部で牌を混ぜて山を積み上げる機能だけです。点数管理は手動で行う必要があり、従来の電卓や点棒ケース、あるいはスマートフォンの点数管理アプリなどを併用することになります。

一部、10万円前後で「点数表示機能付き」を謳う超格安モデルも市場に存在しますが、そのほとんどはアモスDGのような「点棒レス方式(点棒の移動を自動計測するのではなく、自分でボタンを操作して点数を打ち込むタイプ)」です。

点棒式の点数表示を求めるなら15万円以上が目安

点棒を使用するタイプの点数表示機能を高精度かつ頑丈に実装するには、技術的にも部品コスト的にも非常に高い費用がかかります。ストレスのない正確な点棒測定表示を求めるならば、中古の業務用再生品で15万円以上、新品であれば25万円以上の予算が目安になるのが現実です。

通販サイトの説明欄をよーく読めば仕様は書かれているのですが、買い慣れていない方には見分けにくいポイントでもあります。

3. 内部パーツの構成と耐久性が「未知数」

実際に買ったお客様から、「買ったは良いけどすぐ壊れちゃった。もうめんどくさいから買い替えたい!」というお声をいただくこともあります。

全自動麻雀卓の内部は、無数のギア、ベルト、センサー、モーターが連動して動く精密機械です。

高価格帯の卓や業務用卓は、何万回・何十万回というサイクルに耐えられるよう、信頼と実績のある素材で耐久性の高いパーツが使われています。
対して10万円以下の格安卓では、コスト削減のために「どんな素材のパーツが使われているか」が外観からは分からず、製造ロットによって内部パーツがまったく別のものに変更されていることすらあります。

ECサイトの口コミが当てにならない理由

よく大手ECサイトの口コミやレビューを参考に購入される方も多いと思います。しかし機械物に関しては、「同じ商品ページで販売されていても、口コミ投稿時と全く同じクオリティの商品が届くとは限らない」という点に注意が必要です。

メーカー側がコスト削減でパーツを変更している場合もありますし、逆に「弱点だったパーツを改善した結果、別のパーツに負荷がかかって新たな不具合を生んでいる」という可能性もあります。

国内メーカーの機械であれば、仕様変更があっても代理店や製造元に問い合わせれば明確な回答を得られます。
しかし格安卓の場合、販売店が海外の製造工場と直接密な連携を取っているケースは稀で、多くは輸入商社を挟んでいるため、販売元すら細かい仕様変更を把握できていないのが実情です。

4. 故障時の保証・サポート体制と「部品が入手できない」リスク

修理のご相談で一番切実なのが、「壊れちゃったから修理したいんだけど……」というお問い合わせです。

全自動麻雀卓を長く使う上で最も重要なのが「アフターサポート」です。機械物である以上、どんなに丁寧に使っていても故障のリスクはゼロにはなりません。

10万円以下の卓を販売しているショップの多くは、海外から完成品を輸入して販売している小規模な代理店やECショップです。そのため、以下のようなアフターサポート面の壁に突き当たります。

  • 保証期間内のサポート対応が曖昧(自己対応を求められる) 「保証期間内に壊れたからサポートを頼んだら、交換部品だけ送られてきた。どうやって交換するの?」「苦労して交換したけどやっぱり直らない」「交換対応してくれると言うが、あの面倒な組み立てと返送のための再梱包をまた自分でやらなきゃいけないの?」など、保証はついていても現実的な対応が面倒くさすぎたという話はよく耳にします。(※もっとすごい事例もありますが、ここでは書けないので気になる方はぜひ当社のショールームでお尋ねください!)
  • 交換部品(パーツ)が手に入らない 特定のパーツが故障した際、販売店やメーカー側に予備パーツの在庫がない場合があります。壊れやすい部品は在庫していても、それ以外の部品は用意がないケースもあります。結果として、「ほんの小さなパーツが1つ壊れただけで数ヶ月間修理不能になり、最悪の場合は部品が出ず(入手できず)に本体ごと買い替えるしかない」という状況に陥りがちです。
  • 出張修理に対応していない(専門店が引き受けにくい理由) 当社のような国内メーカー代理店であれば、専門の作業員が自宅まで修理にお伺いするサービス(有償含む)があります。しかし格安卓の場合は出張修理がなく、「自分で壊れたパーツを取り外して送る」か、「40kg以上ある卓本体を自分で梱包して販売店へ送り返す」しか選択肢がありません。

専門店でも格安卓の修理を引き受けにくい理由

では「専門店に修理を依頼しよう!」となるわけですが、冒頭でも書いた通り、部品が正規ルートで調達できない限り、まともな専門店であればあるほど手を出しにくいのが本音です。なぜなら作業中、誤って別の場所を壊してしまった場合(あるいは作業中に自然発生的に故障した場合)、部品が無いと復旧させることができないからです。(滅多にないことですけどね)

そのリスク・デメリットを背負ってまで、自社で取り扱いのない格安卓を修理する専門店は少ないと思います。 ※もちろん、部品を使わなくても調整だけで直せる場合も多いので、まずはお気軽にお問い合わせください!

5. 巨大な重量と「セルフ組み立て」のハードル

購入時・導入時の物理的なハードルについても知っておく必要があります。

当社のような専門店の購入であれば、「搬入・開梱・組み立て・設置・動作確認」までセットになっているプランを提供できます。しかし、10万円以下の格安卓は物流コストを限界まで削っているため、「玄関先での箱渡し」および「お客様自身でのセルフ組み立て」が基本です。

  • 搬入の難しさ: 梱包箱を含めると総重量は40kg〜50kgを超えます。エレベーターのないマンションの上階や、狭い階段を通って2階の部屋へ運ぶのは、大人男性2人でもかなりの重労働です。
  • 組み立て作業の煩雑さ: 脚部と天板の結合、配線の接続など、説明書を見ながら自力で行う必要があります。海外製品特有の「ネジ穴の精度が甘く、うまくハマらない」といったトラブルに苦戦することも珍しくありません。

実際、当社へ「機械が届いたんだけど組み立てられないので一度見てほしい!」とご依頼がありお伺いしたところ、雌ネジ(ネジ穴側)の山が切られていない状態でした。
たまたま適合するタップ(ネジ切り工具)を持参していたためその場で加工し対応出来ましたが、国産メーカーの機械ではまず見られない衝撃的なトラブルでした。

6. 初期不良時の返品・交換の悲惨な現実と「輸送トラブル」

最後に、実際にご相談いただく中で最も悲惨なお話をお伝えします。

「他社から全自動麻雀卓を買って届いたんだけど、初期不良で動かない!どうにかして!」というSOSです。

万が一、届いた時点で動作しなかった場合、せっかく苦労して組み立てた巨大な卓をもう一度解体し、巨大なダンボールへ再梱包して返送作業を行わなければなりません。これにかかる体力と時間的ストレスは相当なものです。

正直なところ、国内メーカーの全自動麻雀卓でも初期不良は発生します。 ですが、当社のような専門店での「納品設置サービス」をご利用いただいた場合であれば、納品前に必ず点検・調整を行います。簡単な調整であれば自社で再調整しますし、重大な問題があれば納品前にメーカーに交換品を送ってもらうこともできます。それだけやって極力初期不良をゼロにすることを目指しても、完璧にするのが難しいのが全自動麻雀卓の難しさです。

もう一つの落とし穴「輸送トラブル」

そしてもう一つ、なかなか難しい問題が「輸送トラブル」です。 全自動麻雀卓はとにかく大きく重量があります。本来なら2人で搬入すべき重量物ですが、一般的な路線便などの宅配では、運送業者様が一人で運び込まざるを得ないケースがほとんどです。
「軽くて楽に運べる荷物」と「一人で抱えるのも危険な重量物」、どちらが配送中に事故や破損が起きやすいかは想像に難くないと思います。

特に当社がある北海道のように中継地や輸送距離が長くなる地域では、輸送トラブルのご相談が多く見受けられます。届いた時点で「枠がバキバキに割れて届いた……」といった痛ましい事故も実際に起きています。

結論:10万円以下の全自動卓は「買い」なのか?

ここまでデメリットやトラブル事例を挙げてきましたが、10万円以下の全自動麻雀卓が一概に「買ってはいけない悪質な商品」というわけではありません。(買ってはいけない悪質すぎる商品も在りましたがやはりここでは書けないのでショールームで直接聞いて下さい)

コストパフォーマンスという面で見れば、3万円〜7万円程度で「ボタン一つで山が自動的に上がってくる!」という全自動卓の根本的な機能が手に入るのは、間違いなく素晴らしい技術革新です。

要は、「何を割り切り、何を重視するか」です。

実際、当社へ来られたお客様の中には「9万円ほどの格安卓を5年間ノートラブルで愛用していた」という方もいらっしゃいました。しかし、その卓が壊れたため「次も同じ価格帯で」と買い替えたところ、組み立てた直後から調子が悪く、一度交換対応してもらったものの、代わりの卓も調子が悪かったそうです。最終的に「もう対応に疲れてしまったから、多少高くても地元の専門店で買おう」と当社にご来店いただくことになりました。

このように「当たりを引けば数年快適に使えるが、ハズレを引いた際の手間とストレスが大きい」というのが格安卓のリアルな側面です。

10万円以下の卓に向いている人(割り切って楽しめる人)

  • 雀荘と同じクオリティは求めず、とにかく山が上がって来ればよい人
  • 故障した際、ある程度自分で分解してメンテナンスしたり、「数年使えればOK」と割り切れる人
  • 搬入や音への対策(戸建て住宅など)が自力で準備できる人
  • 気持ちに余裕がある人、小さなトラブルは気にしない人

10万円以下の卓に向かない人(予算を増やして専門店で買うべき人)

  • 雀荘と全く同じ打牌感(28mm牌・高精度な自動点滅点数表示)を求めている人
  • 出来るだけトラブルが少ない全自動麻雀卓が欲しい人
  • トラブルや故障が起きても修理対応が可能な全自動麻雀卓が欲しい人
  • 機械の扱いに疎く、故障時に手厚いメーカーサポートやアフターフォロー、長期保証を望む人

「買った後に知らなかったと後悔する」のが一番もったいないことです。
ご自身のプレイ環境や麻雀スタイル、そして将来的なメンテナンスまで見据えた上で、納得のいく麻雀卓選びをしていただければ幸いです。

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